「日本的であるほど、それは世界的になる」
SUNTORYのモルトウイスキー「山崎」のキャッチコピー。
いつだったか、このキャッチコピーが書かれたSONTORYの広告を見て、非常に印象に残ったのを覚えている。
そして、この言葉の横には、着流しに刀を差した一人の青年。
後で調べてみたら、この人は伊勢谷友介という方で、最近のNHKドラマで白洲次郎を演じた俳優さんらしい。
それにしても、このキャッチコピーは非常に考えさせられる所が多い。
僕は就職活動中、「国際的人材の育成」や「世界で通用する人材」という言葉を嫌になる程耳にした。
その度、「結局、どんな人間が国際的人材やねん。人事部のあんたらは、答えを持ち合わせているんか?」と思った。
「私は多様な文化に触れてきた経験から、多様な価値観を受け入れる事が出来ます。(だから私は、国際的な人間です)」
このような意見を言う人、結構多い。
そして、何か説得力もあったりする。
国際的な人材=多様な価値観に触れてきた経験があり、様々な考え方を受け入れられる人
という方程式は一つの答えである気がするし、この意見に反論出来る気がしない。
が。。。
な〜んか、答えとして物足りない。。と長年思ってきた。
「じゃあ、お兄さん。そもそも多様な価値観を受け入れられる人ってどんな人よ? 多文化交流経験が豊富なら、勝手にそうなるのか?もしそうなら、今まで人類は戦争を起こす事なんて無かった気がするぜぃ。」
へそ曲がりな水野さんは、こう聞きたくなってしまいます。
突然話は変わって、ここで一つ、僕の持論。
「自分を確立してる人程、他人に寛容。自分に自身の無い人程、他人に攻撃的」
これが、所謂「国際的人材」の話にも当てはめられるんじゃないか、と思う。
つまり、多様な価値観を受け入れられる人物=自分の価値観(アイデンティティー)を確立している人間=国際的人材
って事。
そして僕が思った、世界で通用する(この言葉の定義も甚だ難しいが)人間になる為に必要な条件は。。。
自分の中にあるアイデンティティーを確立させていくこと、なんじゃないかと思う。
自分のアイデンティティー、僕の場合は「日本人であること」を確立させていく事が、結局は世界的な人材、世界で尊敬される日本人になれる近道なんじゃないだろうか。
自分の中の軸がしっかりしているからこそ、周囲の人にも優しくなれるし、他人とも分かち合える。
別に海外とか、国際舞台に限った話じゃない。
日常の友達付き合いでも、自分に引け目がある時や自信が無い時、な〜んか周りとギクシャクしちゃうでしょ?
ちなみに僕の私見だが、プーチンロシアがその状態にあるんじゃないかと思う。
あの国は西側陣営に破れ、ソ連も崩壊し、そして「社会主義」という自らの軸を失った。
その後の90年代、国家としての軸が見つからず、ロシアは彷徨う。
そしてプーチンが、「強いロシアの復活」を掲げて登場した時、自らの軸が確立していない彼らは、外部への強硬姿勢を見せる事になってしまう。
何でも、今モスクワではロシア正教会の建物がいっぱいだそうだ。
彼らは、失った自らの軸を、かつて彼らが否定していた宗教に求めようとしているのではないか。
話は戻って。。。
「じゃあ、日本人のアイデンティティーって何やねん!」という質問が次に出てくるかと思います。
こりゃ、なかなか難しい質問ですな。一言では言い表せない。。と逃げたくなります。
では、その答えを探す一助として次の問題。
Q:日本の二千年の歴史の中で、「日本人が最も日本人らしかった」のはいつか?日本人が日本人としてのアイデンティティーを感じ、「世界の中の日本」という実感を持って生きていた時代はいつか?
図り間違っても、2009年現在の日本ではありません。今は、日本人が放浪し始めている、めちゃくちゃヤバ〜い時代です。
僕が思う、「日本人が最も日本人らしかった時代」は。。。
1、中国大陸の隋、唐帝国の脅威を感じながら、中央集権国家の設立を目指した時代。
聖徳太子、天智天皇、天武天皇の時代。
2、幕末期、欧米の帝国主義に立ち向かう為、近代国家の設立をひたすらに目指した時代。
坂本竜馬、勝海舟らの時代。う〜ん、この時代は日本史の奇跡だ。
3、敗戦後、荒野の中から国際社会への復帰、先進国への復帰を目指した時代。
吉田茂、白洲次郎の時代。
これらの時代、強烈に日本人としてのアイデンティティーを持った人々が現れ、世界と渡り合っていったのだと思う。
そして彼らは、日本内での評判はさておき、世界の人からは一目を置かれる存在=国際的人材であったんだと思う。
彼らの持っていた魂、大和魂?みたいなものを、現代の僕達は持っているんだろうか?
ぶっちゃけ、持っていないと思う。
てか、こんな話を前に女の子にしたらドン引きされました。
しか〜し、そんな事で僕はひよったりはしません。
人前で言う機会は二度とないでしょうが、誰よりも日本人に誇りを持ち、日本人としてのアイデンティティーを大切にする事で、
世界中の人々と渡り合っていきたいと思います。
そして、日々そのように振る舞っていく事が、日本という国、日本人という民族、そして水野雄介という一人の人間が、世界から信頼される事になっていくんだと思っています。
2009年5月6日水曜日
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