2009年5月22日金曜日

学びの場としての東大

東京大学はご存じの通り日本の最高学府です。
大学受験の偏差値では日本のトップであり、優秀な高校生ならばほとんど、みなが目指す大学である。
(この一極化の良し悪しには議論の余地は残るが)

さて、ここでなぜ学力が高ければ東大を目指すのか?
・就職するときのブランド力
・環境の良さ
さまざまな切り口が考えられますが、単純に言えば偏差値が一番高いから、だと思う。

僕が所属していた私立の受験校は、先生は優秀な生徒にはみな東大を受けるように勧めていたが、特に偏差値が高いから、ブランド力があるからといった他の理由を提示できていなかったと思う。

東京大学が誇れるべき学術環境として圧倒的なのが
・多様性(文系、理系、留学生、教養学部のシステム)
・研究費用の充実度
・アカデミックの強さ
だと思う。

唯一日本で教養学部を取り入れて、最初の二年間これまで受験勉強で一方的で受け身の勉強を極めてきたと言える学生の視野を広げ、彼らの将来に向けての準備期間を提供する意義はとても深い。
そのような環境で学ぶことも重要だが、ここで作られた多様性に満ちた友人関係の価値は計り知れない。

アカデミック分野での東大の強さは国際ランキングからも見られるようにいちいち述べる必要もない。
ただ肌身として感じるのは研究者の人々のコミュニケーション能力があまり高くないのである。
縦社会の真髄ともいえる研究室で、自分の専門分野にひたすら打ち込むことはもちろん専門性を高めるが、その閉塞性故にほかの専門分野の研究者との交流がきわめて少ないのである。

僕はイノベーションには多様性のミックスが必須だと信じており、このような現状を打破できないかと考えているが、競争が無く地位が脅かされない縦社会の研究室では難しい。

なので僕は研究科に所属しながら、できるだけほかの分野の友人とご飯を食べるようにしているし、さまざまな討論をして見解を広めるようと努力している。

UT-IRISという学生団体は、目的を共有しながらもメンバーのバックグランドが多様にわたり(文化的にも、学術的にも)、そのミーティングは様々な考えを知る貴重な場となる。

国際交流イベントの重要な意義の一つとして、自己啓発なるものがある。
日本の中でずっと優秀で生きてきた東大生はよくいえばその考えや行動は日本の中では研ぎ澄まされており極めて1次元的評価で言えば頂点を極めているが、国際交流で外の文化の人間の意見を聞くとそもそも評価軸が1次元から2次元に増えることにより、他の方向性の見方が見えてくる。
これは国際交流イベントに参加した人間が共通して口をそろえて言うことである。

自分の考えの教養を深め、より高い視点から現状を俯瞰するためにも、このような国際交流イベントはとても役に立つだろう。

現在東大は国際化を進めているが、その結果もっともっと東大の中での多様性が増えればいいなと思う次第です。

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